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人と防災未来センター スタディツアー 開催報告

山里海医学共育プロジェクト(公衆衛生学マスター養成プログラム)の企画として、2025年10月5日、兵庫県神戸市の阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターでスタディツアーを実施しました。黒潮医療人育成プロジェクトの高知大学の学生・教員と合同で展示見学とディスカッションを行い、災害医療と地域減災について学びを深めました。

人と防災未来センターは、阪神・淡路大震災の教訓を継承し、防災・減災意識を高めるための学習拠点です。震災の「その時」を追体験できる展示から復旧・復興に関する知まで学べる点を活用し、岡山大学・高知大学の協働で、発災直後から復興期までを医療の視点で体系的に学ぶことを目的としました。

プログラム内容

展示見学(午前)

再現シアターや資料アーカイブ、医療・救助・生活再建の常設展示を通じて、発災直後の対応から避難生活、仮設住宅期の支援と課題までを俯瞰しました。

合同ディスカッション・机上訓練(午後)

高知大学と合同でディスカッションと机上訓練を行いました。机上訓練では、南海トラフ巨大地震を想定し、地域の地形・交通・医療資源・連携機関を重ね合わせて考える視点を共有しました。

参加者の声(抜粋)

午前・展示見学について

「西市民病院などの当時の様子もみることができ、家族がなすすべもなく息絶えていくという一個人の記憶も追体験できて、残される人々の悔しくつらい気持ちと、順番を決めて処置をしていくしかない医療従事者のもどかしさがわかりました。また、発災、救出活動、避難所や自宅での避難生活を学ぶだけでなく今回は行政や消防・警察との連携や仮設住宅などの災害から一定期間経ったあとの支援と問題点なども包括的かつ詳細に学ぶことができました。」

午後・合同ワークについて

「午後の高知大とのワークでは、南海トラフなどの大規模な地震による災害に見舞われた際に、岡山市周辺がいかに脆弱かを学ぶことができました。津波については普段から海抜などの表記を見るように心がけていたのですが、まさか液状化があんなにも岡山市全体で予測されており、道路が断絶されて医療機関が孤立化する可能性があるとは思っていませんでした。学内でもこのワークを体験してもらいたいと感じました。」

岡山大学から4名、高知大学から6名の学生が参加しました。合同で学びを深めてくださった高知大学の学生・教員の皆様、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。山里海医学共育プロジェクトは、地域とともに暮らし、地域に貢献する人材育成に引き続き取り組んでまいります。