【報告】地域医療シンポジウム開催

山里海医学共育プロジェクトの 地域医療 Early Exposure プログラムに位置づけられた、地域医療実習の報告シンポジウムが岡山大学MUSCAT CUBEで2025年10月28日に開催されました。岡山大学医学部医学科1年生の実習参加者と、地域医療人材育成講座との共同開催です。
この地域医療Early Exposureプログラムは、低学年から医学教育および地域医療教育に取り組み、地域における医療の役割や、医療を通じたまちづくりの在り方について、講義や実習を通して学び、成長することを目的としています。また、実際に地域の医療機関を訪れ、先輩医師の姿を間近に見ることで、自身のロールモデルを見出し、医師として働く将来像をより具体的に描けるよう支援しています。実習参加者は、昨年度の2024年度が40名、今年度である2025年度が延べ46名でした。
この地域医療シンポジウムは、実習に参加した1年生が中心となり企画・運営を行います。発表では、地域医療が抱える課題として、医師不足や医療施設の役割分担の不十分さ、地域連携の重要性が挙げられました。また、治療だけでなくリハビリテーションや予防医療、患者の生活の質(QOL)の向上の必要性についてなど報告されました。地域医療の魅力としては、患者との距離が近く、人とのつながりを感じながら総合的な医療スキルを習得できる点などが挙げられ、実習を通じて得た実りある学びが参加者に紹介されました。シンポジウム当日は実習に参加していない学生も含め、学生現地98名、教員現地5名、現地指導医・スタッフ3名、来賓8名、オンライン11名が出席しました。
その後、新潟大学大学院 医歯学総合研究科 地域医療確保・地域医療課題解決支援講座 地域医療分野の井口清太郎教授を講師にお迎えし、「地域医療を教えるための指導医講習会」を開催しました。井口教授による講演に加え、今年度の地域医療実習の様子などの意見交換会が行われました。教員現地4名、現地指導医2名、オンライン8名が参加しました。
本プログラムを履修した1年生が、今後、地域医療の担い手として成長し、意欲あふれる医療人として活躍されることを期待しています。